スタッフ杉浦の高麗手指鍼セミナーブログ

2019-01-02

第14期 高麗手指鍼学術セミナー・本科受講生の杉浦です。

第6回(平成30年9月16日開催)の高麗手指鍼学術セミナー・本科を
受講しました。

セミナーの最初の質問コーナーで、今回私は刺入深度について
聞きました。悪いところなどは深く刺した方が効くのではない
かと考えていたので、そのことを質問すると、深さはそれほど
問題ではないが、皮膚が弛んでいたり、タコなどができて皮膚が
厚くなっていたりする場合などは、ちくっとする刺激を与える
くらいまで刺した方が効果があったと教えてくださりました。
また、他のセミナー生が次のような質問をされていました。五治
処方(本治方)の刺鍼の際、穴の位置が多少ずれてしまう場合が
あるので、その周辺に何本かずつ刺すというのは、問題ないか?
その質問に対して先生は、最初からそのような方法で行ってしま
うと、刺鍼技術が上達しない。正しい場所に的確に刺せるよう
修行するべきだと回答されておりました。

さて、今回の高麗手指鍼セミナーの内容としては、「熱方・寒方」
についてでした。
熱方・寒方は、五治処方の勝方・正方とならぶ処方の一種で、
それぞれの臓腑ごとにあります。例えば、肝熱方、肝寒方、胆熱
方、胆寒方・・・などです。
熱方・寒方を使用する場合として、以下の説明をしていただきま
した。
熱方は、体温37.5度以上や熱感・手足のはん熱・充血・炎症・
脈拍80/分以上などで使用する。
一方、寒方は体温低下・冷寒感・脈拍70/分以下(スポーツ選手
などには当てはまらないので、参考程度)、元気不足などで使用
すると教えていただきました。
続いて、それぞれの臓腑ごとの熱方・寒方が、どのような症状に
効果があるのか教えていただきました。一つ例を挙げると、脾熱
方は、アトピーや皮膚疾患に効くなどです。開業している先輩
から以前アトピーの治療経過を数人、写真で見せていただいた
ことがありました。3回までの治療で、効果がはっきりでている
のを見て驚いたことがあります。アトピーの方がいたら、ぜひ
試してみたいと思います。

実技の時間では、まず脈診と腹診を行いました。以前ブログで
書いたことがありますが、高麗手指鍼の脈診と腹診は、本当に
簡単です。私は学校や外部の勉強会などで、様々な流派の脈診と
腹診を学びましたが、その中で一番簡単です。診断結果は、他の
セミナー生とほぼ一致していました。
続いて刺鍼練習の時間では、前回と同様に先生が病状や症状を言う
だけで、自分たちがどの処方や多針箇所を使うかを考えて行うもの
でした。ただし、今回は自分の手ではなく、セミナー生同士の対人
練習となりました。自分の手では練習しているので、慣れてきてい
ましたが、対人の練習は殆どする機会がなく、いつもと手の位置が
逆になるので、ぎこちなくなってしまいました。他のセミナー生
も同じように戸惑っているのを見た先生は、全員を集めて対人の
場合のコツを教えてくださいました。相手の指をしっかりと把持
することや鍼管が垂直になるように相手の手を動かすことなどです。
その後、相手への刺鍼練習を行いましたが、思うようにうまく
いかず練習が必要だと感じました。
今回の刺鍼練習のお題は、免疫力を上げる処方・下痢止め・めま
い・運動器疾患の痛み・大腿骨頭壊死・右親指のばね指・ドケブ
バン・陽実証・陰実証・腎実証に対する治療をすることでした。
右親指のばね指の際には先生に、何度もそこではないと指摘をいた
だきました。そもそも、ばね指の正確な位置を理解していなかった
ことが原因でした。

最後になりますが、小松先生は鍼灸師を武士の例えを用いて話をさ
れておりました。刀は研がないとすぐに錆びてしまう。また、名刀
を持っていてどんなに腕が良くても、相手がいなければ世間にその
凄さを認めてもらえる機会がなく、意味がないと。経営の難しさ
なども、その話を通して教えていただきました。とてもわかりやす
い説明であり、自分が置かれている状況が、いかに厳しいものなの
かを改めて認識することができました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Copyright(c) 2012 こまつ鍼灸院 All Rights Reserved.